STkokushiのブログ

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言語聴覚士 国家試験合格への道 サウンドスペクトログラム②

前回の続きでサウンドスペクトログラムの読み方を見ていきたいと思います。
今回は子音の見分け方に焦点を当てていきます。

今回で子音を終わらせて、次回は母音だ!と思っていましたが、あまりに子音が莫大な量になってしまいそうなので、今回は子音の半分までとしたいと思います。

(あまり中身がないのに申し訳ない・・・)

 

【子音の見分け方①】
1.何はともあれ破裂音を探そう
2.摩擦音も見分けやすい

1.何はともあれ破裂音を探そう
現在までの国家試験の問題で、圧倒的に見分けがつきやすい子音は「破裂音」だと思います。
そしてこの破裂音を見分けることで選択肢がかなり減らせるという事が多々ありました。
では破裂音の特徴を見ていきたいと思います。
破裂音はいったん口腔内で圧を溜めたうえで、それを一気に開放することで出てくる音になります。
無声破裂音(例:p,t,kなど)の場合、この口腔内で圧を溜めている時に、音が全くでないゾーンがみられます。
これを閉鎖区間とか無音区間とか呼んでいきます。
前回の続きで国家試験第19回の問題を見ていきます。

3音目の部分に何も色のついていないゾーンがあることが見て取れます。

これが無音区間になります。(下図の赤枠内)。

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パッと見ただけで白くなっているため見分けやすいと思います。
従って、3音目が無声破裂音であることが分かります(有声破裂音の可能性も否定できませんが・・・)。
残った選択肢の中で3音目が破裂音なのは2しかなく、答えは2と判断できます。

サウンドスペクトログラム①の続きになりますので、そちらから読んでください)


他にも国家試験第18回140番の問題をみていくと(約0.3秒ごとにモーラを区切ってあります)、

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3音目と4音目に無音区間があることが分かります。

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そのため、3・4音目に破裂音があるものを見ていくと、選択肢が一気に2つに絞られます。(3「しんこく」か4「ついたて」になります。この問題の解答は母音編までお待ちください)
このように、「(無声)破裂音」が見分けられるだけで、一気に選択肢が絞られることが多いです。


ちなみに有声破裂音の場合、無声と違って破裂する前にボイスバーがみられることが多いです。

下図を見ると、左3つの無声破裂音(p,t,k)に対して、有声破裂音(b,d,g)は破裂直前に赤枠で囲んだようなボイスバーがみられています。

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(吉田友敬先生「言語聴覚士の音響学入門」より)

これを目安に有声破裂音を確定することができると思います。
しかしこれは必ず出てくるとは限らないようです。
ここでは詳細は書きませんが、有声破裂音のVOTが-50msec~30msecであることを考えても、絶対とは言えないようです(VOTについては「言語聴覚士テキスト 第2版」を参照しています)。
実際の国家試験の場合、第21回の41番で有声破裂音が出ています。

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この場合答えが1(「長い影:[nagaikage])であり、2・5音目が有声破裂音になります。
しかしサウンドスペクトラム上では2音目はともかく5音目はかなり微妙です。

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ただし、この話者が東京方言を使用しており、2・5音目が鼻濁音になっていることも考えられます。
Wikipedia(鼻濁音)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BC%BB%E6%BF%81%E9%9F%B3 )

(鼻音については次回に話していきます)
この問題では有声破裂音を識別できないと解けないという問題ではありませんが、知識として破裂に先行してボイスバーが出やすいという事を覚えておいたほうがいいと思います。
*破裂音の問題はサウンドスペクトログラムの問題以外にも「音響学」ではよく出る子音の一つになります。
先ほどVOTの説明はしませんでしたが、この辺りも含めて学習しておくと良いかもしれません。
(VOTについては難しいホームページしか見つかりませんでした。ご参考にどうぞ。
http://splab.net/APD/K400/index-j.html )

 

2.摩擦音も見分けやすい
摩擦音も特徴のある子音の一つであるように思います。
とてもおおざっぱな言い方ですが、摩擦音のサウンドスペクトログラムは高周波数域に雑音成分が見られるような形になります。
下の図を見ていただくと低周波数域にほとんど音成分がなく、高周波数域に色濃く音成分がみられます。

この場合無声破裂音になります。

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有声摩擦音になると、それにボイスバーが加わっただけのような形になります。

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今まで解いてきた第19回の国家試験の問題でも、

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という所が無声摩擦音であることが分かります。

他にも第17回の問題でも、

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2音目が無声摩擦音だとわかります。

(初めてのサウンドスペクトログラムの問題はかなり不鮮明な問題でした)


参考文献にあげさせていただいた吉田先生の書籍によると、摩擦音の種類によって特徴があるようですが、国家試験の問題の中で識別することは困難なように思います。

 

次回は、今回紹介できなかった他の子音について見ていきたいと思います。