言語聴覚士 国家試験合格への道 ~言語学・音声学 アクセント解説①
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今回は言語学・音声学の頻出問題のアクセントについて見ていきたいと思います。
[言語学・音声学 アクセント解説①]
1.アクセント問題の出題傾向
2.アクセントとは
3.アクセントの練習法
1.アクセント問題の出題傾向
アクセントの問題はほとんど毎年出題されるものの1つになります。
言語聴覚士テキストでも言語学・音声学それぞれで解説されているように、国家試験においても言語学・音声学それぞれで出題されています。
傾向としては、
①音声学で出題される場合は名詞・動詞(形容詞)・複合名詞のアクセントで出題
②言語学で出題される場合は形態論(複合名詞)にからめて出題
されています。
結論としては、言語聴覚士テキストにも書かれている名詞・動詞(形容詞)・複合名詞のアクセントについて幅広く知っておく必要があります。
大昔の国家試験では名詞アクセントの問題がほとんどだったのですが、最近は動詞・形容詞、複合名詞と出題範囲が増えており、年々難しくなっているジャンルの1つと言えます。
これから何回かにわたってアクセントについて解説していきたいと思います。
2.アクセントとは
アクセントは超分節的要素の1つになります。
超分節的要素とは、単音のように1音1音分けられる(分節できる)ものではなく、単語全体や文全体にわたってみられる特徴になります。
分節的な要素を超えて、複数の分節にわたってみられる要素という事です。
プロソディ(韻律的特徴)ともいわれ、アクセント、イントネーション、リズム、ポーズなどが含まれます。
この中でアクセントとは、それぞれの単語で決まっている音の高低または強弱の事を言います。
音の高さや強さで単語を区別したり、単語の複合を示したりするのに役立ちます。
日本語の場合は、音の高低でアクセントを表すというピッチ(高さ)アクセントに属します。
(英語の場合はストレスアクセントに属します)
日本語はピッチアクセントということは周波数の変動がみられます。
そのため、音響学の(狭帯域)サウンドスペクトログラムの問題で出題されたこともあります。
3.アクセントの練習法
国家試験に出題されるのは共通語(東京方言)のアクセントの問題になります。
この時点で共通語(東京方言)圏ではない方言域の人たちには不利な問題になります。
なぜなら、共通語(東京方言)で決められているアクセントの知識が乏しいことが多いからです。
従ってこれらの方達にアクセントの判断をさせるというのは至難の業になります。
(関西弁の学生たちは毎年苦戦しています)
しかし、共通語(東京方言)を話す人たちにとっても慣れないと解けない問題でもあります。
私なりのトレーニング方法を紹介していきたいと思います。
まず、はし(橋)とはし(箸)という単語を使っていきます。
はし(橋)のアクセントは1音目が高く、2音目が低い単語になります(高低)。
はし(箸)のアクセントは1音目が低く、2音目が高い単語になります(低高)。
この2つの単語の音の高低をかなり誇張して何度か言ってみて下さい。
(高の時はかなり高く、低の時はかなり低く言ってください)
この感覚を持った状態で、さらに3モーラ語も練習していきます。
みかん(ミカン)高低低
さくら(桜)低高高
おかし(お菓子)低高低
これもかなり高低を誇張しながら言っていってください。
これを繰り返すことで、徐々に高から低に下がる感覚、低から高に上がる感覚がつかめていくようになると思います。
この感覚をもとに過去問などで更なる練習をしてみて下さい。
今まで苦手だった問題がスムーズに解けるようになるかもしれません。
次回は名詞アクセントの特徴を見ていきたいと思います。