言語聴覚士 国家試験合格への道 ~音声学頻出問題 モーラと音節数を数えよう
今年はずっとコロナに振り回されています。
しかし、今年度も例年通り2月に言語聴覚士の国家試験があることが発表されました。
(具体的には2021年2月20日(土))
そろそろ願書も届くでしょうし、1段ギアを挙げて国家試験対策に取り組む時期になってきました。
皆さんも混乱の真っただ中にいるかと思いますが、ここからが本当の国家試験勉強のスタートになりますよ。
[音声学頻出問題 モーラと音節数を数えよう]
1.モーラと音節数の問題を間違えるのは痛い
2.基本的な数え方
3.数え方の注意点と例外
1.モーラと音節数の問題を間違えるのは痛い
音声学の問題の中で、モーラ数や音節数を数える問題があります。
昔から出題される問題で、3年に1回くらい出題される頻出問題の1つです。
この問題はそこまで難易度が高い問題ではないので、落としてしまうのは痛い問題の1つになります。
コツさえ覚えてしまえば本当に簡単です。
確実に1点ゲットして、国家試験合格を近づけましょう!!
2.基本的な数え方
【音節編】
音節とは「1個の母音を中心に、その母音単独で、あるいはその母音の前後に1個または複数個の子音を伴って構成する音声(群)で、音声の聞こえの一種のまとまりをいう。」(Wikipedia)
母音(V)や子音(C)+母音(V)、子音(C)+母音(V)+子音(C)といった塊で1音節になります。
ここで注目してほしいのは、必ず母音(V)が含まれているという事です。
法則:音節は母音数を数えるべし
音節数は母音の数に対応しています。
「えんぴつ」を音声字母などで書いてみましょう。
[empitsɯ]になります。
母音はというと、[empitsɯ]の3つになりますので、音節数は3になります。
【モーラ編】
モーラとは「音韻論上、一定の時間的長さをもった音の分節単位」(Wikipedia)になります。
日本語はモーラの特徴を持った言語で、1音1音が等時性(時間が等しいこと)を保っています。
俳句(5・7・5)や短歌(5・7・5・7・7)が成り立つのは、日本語の音が等時性を保っているからと言われています。
日本語の1音1音に対応しているのは仮名文字になります(例外は後で説明します)。
法則:モーラは仮名文字の数を数えるべし
モーラ数は基本的に仮名文字の数に対応しています。
例えば「えんぴつ」だと、「え|ん|ぴ|つ」で文字数は4になります。
すなわちモーラ数も4になります。
とても簡単だと思いませんか?
最後に少しだけ注意点や例外をお伝えします。
3.数え方の注意点と例外
【音節数の数え方の注意点】
音節数は母音を数えるだけで良いのですが、平仮名表記に惑わされないのが重要なポイントになります。
例えば、「ぼうし(帽子)」や「しょうすう(少数)」の場合は、何音節になると思いますか?
何も考えないと、[boɯɕi]や[syoɯsɯɯ]と書いてしまい、それぞれ「3」「4」と答えてしまうかもしれません。
しかし、実際はどのように発音しますか?
「ぼーし[bo:ɕi]」
「しょーすー[syo:sɯ:]」
になりませんか。
そうなると、[bo:ɕi]で音節数は2
[syo:sɯ:]で音節数は2になります。
必ず、発音ベースで数えるという事に注意してください。
【モーラ数の数え方の例外】
特殊拍である促音(っ)、長音(―)、撥音(ん)などはそのまま文字数を数えてもらって大丈夫です。
しかし、唯一の例外が拗音(ゃ、ゅ、ょ)になります。
拗音だけはきゃ、きゅ、きょのように、大きい文字とセットで1モーラになります。
小学校で習うような50音表でも、拗音の場合は1文字がきゃ、きゅ、きょのようにセットで書かれていたかと思います。
従って「キャットフード」のような場合は、「キャ|ッ|ト|フ|-|ド」で6モーラになります。
文字数を数えるときは必ず拗音に注意するようにしてください。
これだけの事を覚えておけば、間違いなく国家試験でも1点取れると思います。
今年も出題されることを祈っています!
(毎年祈っていますが(笑))