STkokushiのブログ

言語聴覚士の国家試験合格を支援するサイトです

言語聴覚士 国家試験合格への道 ~出題傾向の変化とは

今年の言語聴覚士国家試験の合格発表がありましたね。

今年度の全国合格率は69.4%でした。

これを多いとみるか少ないとみるかは、様々な考え方があると思います。

私は、この新型コロナウイルス感染症拡大による甚大な影響を受けられた中で、この合格率は素晴らしいと思います。

合格された方々の努力に敬意を表します。

不合格だった方々もこの1年大変だったと思います。

再受験されるというのはかなりの決意が必要になります。

それでも言語聴覚士の道を歩もうとされるなら、影響は微弱ですが応援していきたいと思っています。

 

今回は「国家試験の出題傾向の変化」についてみていきたいと思います。

 

[出題傾向の変化とは]

1.国家試験の出題傾向が変化した??

2.出題傾向は変わるもの

3.国家試験の勉強法とは?

 

 1.国家試験の出題傾向が変化した??

今年の言語聴覚士国家試験を象徴する衝撃的な選択肢がありましたね。

「マジ卍」!!!

本校の学生もそうですが、twitter上でもこのワードにあふれていました。

そのワードとともに言われていたのが、「今年の国家試験の出題傾向が変わった!!」です。

「マジ卍」以外にも「小児の検査の出題傾向が変わった」「解剖生理で神経系の問題が少なかった」「音響学で謎の図が出た」などなど・・・

 

では、本当に出題傾向が変わったのでしょうか??

 

2.出題傾向は変わるもの

この「出題傾向が変わった!!」というのは、実は毎年言われているものになります。

言うまでもなく昨年も言われていましたし、10年前も言われていました。

では本当に今年度の出題傾向は変わったのでしょうか?

結論としてはYesでもありNoでもあると思います。

初めて写真が入った問題が出題されたとき、サウンドスペクトログラムの問題が出題されたとき、検査結果の解釈が出題されたとき・・・(もっと細かく、初めて原発性進行性失語が出題されたとき、などを含めたら枚挙にいとまがありません)

ちなみに、「マジ卍」については、第22回に初めて「社会言語学が出題された流れから外れていないと考えられます(第22回に社会言語学が出題されたのは衝撃でした!!)。

 

そもそも言語聴覚士がいる日進月歩の医療・福祉・教育業界において、毎年同じ問題がずっと出題されている事自体がおかしいと思いませんか?

また、30科目前後ある1科目1科目はそれぞれ膨大な出題範囲です。

例えば解剖・生理は言語聴覚士の国家試験では4~6問程度の出題ですが、皆さんの学校ではかなりのコマ数を使って学びませんでしたか?

何十時間もかけて学んだ内容の中からわずか数問だけが出題されるので、毎年想定外の問題が出題されるのは仕方がないと思います。

「出題傾向は変わるもの」というスタンスで国家試験に対峙するというのは基本的な姿勢になると思います。

 

3.国家試験の勉強法とは?

毎年出題傾向が変わるならば、過去問も役に立たないのでは?と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。

先ほどの「2.出題傾向は変わるもの」の中で、「YesでもありNoでもある」と言いました。

出題傾向は変わりますが、すべての問題が変わるわけでは全くありません

もしすべての問題の出題傾向が変わっているならば、今年度の合格率は69.4%ですむはずがありません。

どうしても「マジ卍」のように目につくような問題に気を取られてしまい、問題がとても難しくなったという印象を抱いてしまいます。

しかし、6~7割前後の問題は想定の範囲内の問題で構成されています。

そこをきっちりと理解していくところが国家試験勉強のスタートではないでしょうか?

そこを固めつつ、ちょっとずつ過去問などを解くなどして色々な問題に対応していけるように力をつけていくのが良いように思います。

大学受験のように他の受験生よりも1点でも多く取るという勉強法と、120点を確実にとる勉強法というのは全く異なります。

取りやすいものをきっちり得点し、枝葉末節な問題や奇問・難問にこだわりすぎないというのが重要だと思います。

そして、実際の国家試験の時に初めて見るような問題が出題されたとしても「この問題は仕方がない」と思って、冷静に得点できるものを拾っていってください。

長年国家試験に携わっているとそのように感じます。

第24回を受験される皆さんもこれから1年大変でしょうが、今からじっくり頑張ってくださいね。