STkokushiのブログ

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言語聴覚士 養成校の選び方② (応用編)

前回の記事では、言語聴覚士の養成校の選び方の基礎を見ていきました。

今回は、「養成校の選び方(応用編)」と題して、言語聴覚士の養成校の本質に迫っていきたいと思います。

 

[養成校の選び方②]

 1.国家試験合格率の見方

2.臨床能力を鍛えてくれる学校とは

3.特定ジャンルに強い教員を探そう

 

1.国家試験合格率の見方

第21回の国家試験合格率は、前年度に比べて10%以上下がって68.9%でした。
言語聴覚士の国家試験からすると低い合格率とは言えませんが、第20回(79.3%)からのギャップに衝撃を受けた養成校は多かったのではないでしょうか。

受験生はこの数値を参考に、合格率の高い学校を選ばれると思います。

しかし、この数値には裏があります。

この合格率は現役生と既卒生のすべてが合わさった合格率になります。

学校がホームページで紹介している合格率の大半は、その年度の現役生の合格率になっているかと思います。

となると、学校の実力を図るためには全国の現役生の合格率と比較していく必要があります。

では全国の現役生の合格率をどのように知るのかというと、通常のルートでは知ることができません。

養成校のみその数値を取り寄せることができます(取り寄せ方の知らない養成校もあるようです)。

では第21回はどのような感じだったかというと、
全体68.9% 現役生82.5% 既卒生19.8%です。

結構衝撃的じゃないですか??

現役生は80%を超えているにもかかわらず、既卒生になると20%を切っている・・・

第20回はというと、
全体79.3% 現役生90.3% 既卒生39.2%です。

この数値を参考に各養成校のホームページを見ていくと、案外高くないと感じるところもチラホラ・・・

養成校の教員の立場からすると、年度によって学生の能力のばらつきもありますので、5年の合格率の平均値が全国平均を上回っているかで学校の実力を見ていくのが良いと思います。

ここ5年の国家試験の現役合格率を考えていくと80%台後半の合格率を安定して出している学校ならば、合格率は高いといえるのではないでしょうか。

 (国家試験前に卒業試験と称して、国家試験を受験させない学校があるという都市伝説がありますが・・・)

 

2.臨床能力を鍛えてくれる学校とは

 各学校色々な教育特色を出しながら臨床能力を養成しています。

 例えば、学校内に実際の患者さんの治療を行っているクリニックのようなものを併設している所、系列の医療機関との交流を行っている所、OSCE(Objective Structured Clinical Examination;客観的臨床能力試験)を行っている所、IPE(Interprofessional education;他職種連携教育)を行っている所などです。

後半2つなどは、受験生の皆さんがホームページで見たところでよくわからないかと思います。

しかし、これらのことを行っていない学校よりは行っている学校の方が臨床能力を鍛えてくれると思います。

まずはしっかりとホームページなどで情報を収集しておきましょう。

また、オープンキャンパスなどに行ったときは、入学から卒業までの臨床教育の流れが説得力あるものかどうかを確認しておきましょう。

 

3.特定ジャンルに強い教員を探そう

私はこのジャンルの勉強をしっかり行いたい!という方は、それに特化した教員を探すといいでしょう。

本来ならば論文を検索したり、学会に行ったりという作業があると思いますが、受験生がそれを行うのは困難です。

まずはホームページを見て、教員紹介をしっかり見ていきましょう。

大学ならば研究業績が出ていることがほとんどだと思います。

また、言語聴覚士の教科書に選ばれやすい建帛社の「言語聴覚療法」シリーズ、医学書院の「標準言語聴覚障害学」シリーズ、医歯薬出版社の「言語聴覚士のための」シリーズなどの著者を調べてみるのもありだと思います。

 

改訂 聴覚障害〈1〉基礎編 (言語聴覚療法シリーズ)

改訂 聴覚障害〈1〉基礎編 (言語聴覚療法シリーズ)

 

 

聴覚障害学 第2版 (標準言語聴覚障害学)

聴覚障害学 第2版 (標準言語聴覚障害学)

 

 

言語聴覚士のための聴覚障害学

言語聴覚士のための聴覚障害学

 

 このようなシリーズの中から、興味のある本を手に取ってみるといいでしょう。

その先生の名前をインターネットで検索などしながら、派生的にそのジャンルに強い先生を探していくといいかと思います。

 

以上のように、学校選びも戦略が必要だという事が分かったかと思います。

それ以外にも現役の言語聴覚士に母校のことを聞いてみたり、在校生に聞いてみたりというのもありだと思います(個人の意見なのでどこまで正確か分かりませんが・・・)。

将来を決める大事な作業ですので、じっくり時間をかけて調べてみてくださいね。

 

次回は国家試験願書の書き方を見ていきたいと思います。