言語聴覚士 養成校の選び方① (基礎編)
本当はスケジュール管理(現役編)を書こうと思っていましたが、そろそろ入試が本格化するので、養成校の選び方を現役養成校教員の視点から考えていきたいと思います。
ちなみに国家試験合格を支援するサイトなのに、なぜ養成校の選び方を解説するのか?と疑問に思う方もいるかもしれません。
その理由は簡単です。
選んだ養成校によって数年後の国家試験合格の可能性が大いに変化するからです。
選んだ学校によって将来が変わってしまう可能性があるので、慎重に選んでいくことが大事だと思います。
[養成校の選び方①]
1.あなたはどんな言語聴覚士になりたいですか?
2.専門学校か大学か
1.あなたはどんな言語聴覚士になりたいですか?
養成校の選び方はこの質問から始まります。
①病院(施設)で患者さんに寄り添える言語聴覚士になりたい
②嚥下障害を極めたい(何らか特定のジャンルに強い興味を抱いている)
③とりあえず医療・福祉の資格が欲しい
などが理由としてあると思います。
①の理由が一番多いかと思います。
何らかの経験から言語聴覚士に興味を抱き、養成校の門をたたくというのが大半ではないでしょうか。
このケースのポイントは、国家試験合格率が高く、臨床能力(実践力)が鍛えられる学校が最適になると思います。
②の理由の方も多くはありませんが確実に存在します。
②が理由の人はさらに深く考えてください。
特定ジャンルを極めた先は何を考えていますか?
研究者を目指しているのか、現場でスペシャリストを目指しているかです。
このケースの場合、国家試験合格率が高いのに加えて、自分の興味のある特定ジャンルに強い教員がいるかがポイントになります。
③が理由の人はもう一度よく考えてください。
言語聴覚士になることを強く望んでいる学生ですら、興味の薄い専門領域や専門基礎分野の勉強に苦戦しています。
それが言語聴覚士という仕事にあまり興味がない学生が勉強するというのは、かなり苦痛な作業になる可能性があります。
国家試験がある資格というものは最終的に国家試験を合格しなければなりません。
従って、今までの高校のように簡単に単位をもらえるということはほとんどあり得ません(逆に簡単に単位が取れる学校は国家試験合格率に響きます)。
他の専門職ではなく、言語聴覚士になりたいという気持ちを持ってから、受験を考えたほうが良いと思います。
2.専門学校か大学か
まず、偏差値によって学校を選ぶという一般的な方法は、あまりこの分野に当てはまらないという事を頭の隅に置いていきましょう。
偏差値が高い学校は確かに国家試験合格率が高いところが多いですが、偏差値の割に合格率が低いという学校もあります。
また、偏差値で測ることが難しい専門学校でも、大学をはるかに超える国家試験合格率を誇る学校もあります。
そう考えていくと、1で考えたように自分がどのような言語聴覚士になりたいかで学校を選んだ方が良いかと思います。
しかし、一部どちらかにしたほうが良い人もいるのでそこを整理していきます。
【専門学校を選んだほうが良い人】
・大学よりも短い就学期間で言語聴覚士になりたい人(金銭面の負担をなるべく抑えたい人)
・高校のような雰囲気で学んでいきたい人
【大学を選んだほうが良い人】
・学士(大学卒業で得られる称号)が欲しい人
・将来研究者を目指している人
上記の人はそれぞれの学校を中心に選んだ方が良いと思います。
それ以外の人はとなると、国家試験合格率や臨床能力(実践力)を鍛えてくれる学校
、特定ジャンルに強い教員がいる学校を、自分の優先順位に基づいて探していくことが重要になると思います。
それでは次回では、多くの人が知らない国家試験合格率の見分け方、臨床能力に力を入れている学校の見分け方、特定ジャンルに強い教員がいる学校の見分け方を見ていきたいと思います。