言語聴覚士 国家試験合格への道 ~過去問の使い方①
ブログをご無沙汰しておりました。
新型コロナの影響で学校はすったもんだになっております。
10日くらい前の事ですが、言語聴覚士の合格発表が遠い昔のように感じられます。
しかし、第23回国家試験に向けて前を向かねばなりません。
今回は国家試験合格に向けて過去問との向き合い方について考えていきたいと思います。
[過去問の使い方①]
1.過去問を解く目的は?
2.過去問マスターだった既卒生
3.既卒生の事例からわかったこと
1.過去問を解く目的は?
私は国家試験の過去問は薬にもなれば毒にもなると思っています。
まずは過去問を解く効果を考えてみたいと思います。
①過去問から国家試験の問題の傾向を知る
②学んだ知識の確認
③新たな知識の獲得
④自分の実力の確認
などがあるのではないでしょうか。
この目的の中で、皆さんは何を期待して過去問に向かっているでしょうか?
私は国家試験までの期間を考えたうえで、目的を考えて過去問に向かうことが重要だと思っています。
一部の受験生の中には、闇雲に何年もさかのぼって過去問を解いている方がいます。
私はこれは大変危険だと思っています。
とても印象的な事例があったので紹介したいと思います。
2.過去問マスターだった卒業生
この方は10年以上も前の卒業生で、国家試験を現役からずっと受験している方でした。
(数年前に受験をあきらめたようです・・・)
現役で国家試験に落ちた後自分で勉強していましたが、にっちもさっちもいかなくなって学校の門を久しぶりにたたいたようです(教員はその卒業生の事を誰も知りませんでした)。
その卒業生はひたすら過去問をやっていたようで、ほとんどの問題と解答を覚えていました。
しかし、その過去問で取り扱われた内容の意味を聞いてみると、ほとんど分かっていない状態でした。
補講をしていくと、「あの問題はこういうことを聞いていたんですね」と、過去問の意味を初めて分かったかのような反応を繰り返していました。
結局半年間学校でいろいろ対策をしましたが、基本的な知識の習得ができずその年の国家試験に落ちてしまいました。(その後1度も姿を見せませんでした・・・)
3.卒業生の事例からわかったこと
この事例から、過去問はあくまで広大な学問の小さな1点を、1つの角度から聞いているだけという事に気づかされました。
従って、例え過去問を何十問と解いたとしても、その科目の全体を理解することはできません。
また、過去問は解けるのに、過去問と同じ内容の別の問題が解けないことはありませんか?
これは内容の一側面が分かっているだけで、別の側面からは理解していないことを意味しています。(内容の全体が理解できていないとも言えます)
時折過去問だけを解いて合格したという方に出会いますが、授業の段階でかなりのことを理解している頭の良い方だと思います。
そのような方は心底過去問の重要性を語ってくれますが、皆さんに本当に役立つかは疑問です。
勉強の中心はその科目の理解であり、それを促進するうえで過去問を有効に使っていくというのが王道ではないでしょうか?
次回は具体的にどのように過去問を使っていくかを詳細に見ていきます。