言語聴覚士 国家家試験合格の道~スケジュール管理法(既卒編②)
前回の記事では、既卒者のスケジュール管理法の基本的なポイントをお伝えしました。
今回は、1年間のスケジュール戦略をさらに具体的に考えてみたいと思います。
[1年間のスケジュール戦略]
1.昨年の失敗の原因を考えよう
2.1年間で費やすことのできる時間を見積ろう
3.1年間を3期に分けよう
1.昨年の失敗の原因を考えよう
落ちてしまった現実を振り返るのは辛いことですが、振り返らずして今年度の合格は近づきません。
ただし、この振り返りもどのように行うかが大事です。
ポイントとしては、生活面・勉強面の両方の振り返りを行いましょう
基本的に何か一つの原因で落ちるということはあまりないかと思います。
(試験当日の体調不良やマークシートミスを除く)
1年間全力で勉強するうえでも生活面・勉強面の両方を見直しましょう。
生活面では・・・
・一日に勉強に費やしていた時間は?(量の側面)
・集中して取り組めていたか?(質の側面)
バイトや友人関係を優先してしまい時間が足りなくなったり、テレビやスマホなどに気を取られてダラダラしてしまったりしていませんでしたか?
勉強面では・・・
・いつにどのような勉強をしていたのか書き出してみましょう
勉強のやり方については今回と次回で説明していきたいと思います。
振り返りで絶対してはいけないのが、「そもそも頭が悪かった」「今年は運が悪かった」のようなものです。
これでは対策の立てようがないようですし、なによりも精神衛生上よくありません!
反省しつつも、ポジティブさを忘れないことが肝要だと思います。
学校の先生や、国家試験を一緒に頑張った友人などからアドバイスをもらいながら、対策の考えられる振り返りをしましょう。
そして、自分の強み・弱みを理解したうえで勉強できると良いと思います。
2.1年間で費やすことのできる時間を見積ろう
前回では生活を整えるうえで、バイトをすることも勧めました。
しかし、国家試験直前には全力が費やせる時間を確保すべきです。
そういうのも含めて1年間の大まかな時間の見積もりを立てましょう。
時間があればいいというわけではありませんが、泣いても笑ってもその時間内で闘っていくことになります。
3.1年間を3期に分けよう
今から私が書きだす数字を覚えてください。
495147562785
では覚えたものを明日試験します・・・
なんて言って明日まで覚えている人はどれぐらいいるでしょうか?
明日まで頑張って覚えていたとしても、1か月後は?半年後は?、となると不可能だと思います。
しかしこのような勉強法をしている人は多くいます。
先生「伝導失語で覚えるところは○○と××だぞ」
生徒「わかりました。しっかりと覚えておきます!」
なんて会話は色々な学校で繰り広げられていると思います。
しかし、この生徒にとって伝導失語のポイントが理解していないものだったら、最初に挙げた数字列を暗記するのと同じくらい難しいものになります。
例えば伝導失語の病巣を覚えていて、その周囲の機能を理解していたら、
・伝導失語の中心病巣である縁上回は中心溝に対して後方に位置するので流暢性であり、環シルビウスに位置するので復唱は不良、シルビウス裂よりも上方なので理解は良好になる
・縁上回は音韻に深くかかわっているため、音韻性錯語が頻発する
・理解は良好であり音韻性錯語が頻発するため、誤っていることが理解できるので接近行為(自己修正)がみられる
・左頭頂葉の縁上回を中心として病巣なので、同じく左頭頂葉病変である観念失行や
観念運動失行が合併しやすい
などというのが流れで出てくるでしょう。
これらを1個1個覚えていくのはかなり負担になりますが、理解してひと塊で覚えることができたら負担は軽減します(学習認知心理学でいうところの「チャンキング」ですね)。
これらを踏まえて、私は1年間を3つの時期に分けることが重要だと思います。
前期(理解中心):科目のつながりなどを意識しながら科目の理解を進めていく時期
中期(理解したことを問題で試しながら暗記する):理解した内容に対して、一つ一つの用語を当てはめて覚えていく。そしてそれを過去問などを通して、確認していく時期。
後期(暗記中心期):国家試験直前に理解していないことも含めてとにもかくにも頭に詰め込む時期
では次回は、理解を進めるための勉強の組み合わせの仕方を考えてみたいと思います。