STkokushiのブログ

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言語聴覚士 国家家試験合格の道~スケジュール管理法(既卒編③)

では今回は前回の記事で話をした、理解をしながら勉強していく方法を見ていきたいと思います。

 

[理解しながら勉強するポイント]

①科目のつながりを意識して戦略を練る

-構音障害・嚥下障害・音声障害の場合

-聴覚系の場合

-小児系の場合

②科目にこだわる必要はない

 

①科目のつながりを意識して戦略を練る
まずは言語聴覚士の出題範囲を見ていきたいと思います。
言語聴覚士の国家試験の出題範囲は、言語聴覚士 国家試験出題基準平成30年4月版」に書いてあります。
目次の部分を見てみるとⅠ~XⅢの13項目が並んでいます。しかしよくよく見ると「Ⅰ基礎医学」「Ⅱ臨床医学」などと、おおざっぱに書かれています。
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 (言語聴覚士 国家試験出題基準平成30年4月版」の目次)

もう少し具体的にどれぐらいの科目数があるのかを言語聴覚士テキスト 第3版」で見ていくと、基礎科目で21科目、専門科目で15科目になります。
各科目問題数が異なりますが、これらすべての科目で200問の問題が出ることになります。
数科目程度ならば1科目ずつ潰していくという勉強法もありかもしれませんが、計36科目を1科目ずつ潰していくというのはとても効率的ではありませんし、36科目終わった時にほとんど何も覚えていないことに気づくと思います。
従ってこれらを攻略していくには戦略が必要になります。
そこで各科目を結び付けて(チャンキング)、理解のネットワークを広げていく方法を提案します。
まずは一つの例を見ていきます。
言語聴覚士テキスト 第3版」の目次を見てください。
https://www.ishiyaku.co.jp/search/details_1.aspx?cid=1&bookcode=265600
(とても大量の項目があるので見るのが困難ですが・・・)


まずは「Ⅱ臨床医学」→「3精神医学」→「5器質性疾患」→「1認知症があることを確認してください。
次は「Ⅱ臨床医学」→「6臨床神経学」→「4臨床神経学各論」→「6認知症があります。
次は「VⅢ成人言語障害」→「2高次脳機能障害」→「9認知症があります。


このように、認知症という言語聴覚士国家試験によく出てくる単元が3科目にわたって出ている事が確認できるかと思います。
もしこの3科目をバラバラに学習していくよりも、一つにまとめて認知症を学習していったほうが理解しやすいだろうという事はわかるかと思います。
このように、まとめられるところはまとめていったり、学ぶ内容が似通っているところをまとめたりすると、理解しやすく効率的になるかと思います。

構音障害・嚥下障害・音声障害の場合
耳鼻咽喉科学の中の口腔・咽頭喉頭・気管・食道」→「臨床神経学」→「形成外科学」→「臨床歯科学」→「音声学」→「音声障害」→「小児構音障害」→「成人構音障害」→「摂食嚥下障害」
とつなげてみるのはいかがでしょうか。
まずは耳鼻咽喉科学」の中でも、音声、構音・嚥下に関わりそうな解剖生理+音声障害に密接にかかわる疾患を学ぶ(耳鼻科の内容は聴覚障害につながっていくので除外)。
その後運動障害性構音障害に密接にかかわる「臨床神経学」、器質性構音障害に密接にかかわる「形成外科学」を学ぶことによって、専門科目につながる解剖・生理と疾患がまとめられると思います。
「音声学」は構音障害全般に関わってきますが、「小児構音障害」の「機能性構音障害」で特に重要になる学問だと思います。

聴覚系の場合
耳鼻咽喉科学の耳関係」→「音響学」→「聴覚心理」→「成人・小児聴覚障害」→「補聴器・人口内耳」


小児系の場合
「小児科学」→「生涯発達心理学」→「言語発達学」→「言語発達障害(重複障害含む)」

 

上記で上げたのはあくまで一例です。

人によっては「小児聴覚障害を小児系の中に組み入れたほうが理解できるという方もいると思います(小児聴覚障害児の言語指導を考えるときに言語発達の視点は欠かせられません)。

他にも「音声学」と「言語学をペアにした方が良いなどもあるでしょうが、その場合次のを参考にしてみてください

 

②科目にこだわる必要はない

 ②はどのようなことを表しているかというと、先ほどのまとめ方の一例で「構音障害・嚥下障害・音声障害」と「聴覚系」の勉強法を提案しました。

その中で、耳鼻咽喉科学」が2つに分断されているのに気づかれたでしょうか?

科目単位で動いてしまうと耳(鼻)と咽喉というものを一緒に学んでいかねばなりませんが、理解単位で考えていくと別々の方が効率的だと思います。

「精神医学」認知症の部分は「臨床神経学」高次脳機能障害と一緒に学び、統合失調症やパーソナリティ障害などは「臨床心理学」と一緒に学んだ方が理解が進むと思います。

このように、科目内を分断することで基礎と基礎のつながり、基礎から専門へのつながり、専門と専門のつながりができてくるのではないかと思います。

このように学んでいくと全体を流れ(ストーリー)で理解することができるので、 暗記の負担はぐっと減っていくかと思います。

これを国家試験の前半に準備しておくと、中期・後期の勉強に弾みがついていきます。

 

次回は3期に分けたときの中期の勉強法についてみていきたいと思います。