言語聴覚士 国家試験合格への道 ~ICFの問題を解きやすくする技
国家試験まであと1週間を切ってきましたね。
一番つらい時ですが、もうゴールは目の前です。
今までやってきたことを信じて、ラストスパートをかけてください。
さて、今回は毎年のように出てくるICF(国際生活機能分類)の問題の中でも、「○○はICFの何に該当するか?」といった問題に対処できる簡単な方法をお伝えします。
[ICFの問題を解きやすくする技]
1.ICFの項目にはどのようなものが入るのか?
2.注目すべきは「活動」
3.問題を見てみましょう
1.ICFの項目にはどのようなものが入るのか?
まずはICFの各項目にどのようなものが入るのか見ていきましょう。
(介護健康福祉のお役立ち通信より https://carenote.jp/icfkinou/)
大体の内容は知っているものの、いざ分類しようとすると自信がないという方は多いのではないでしょうか?
本来でしたらコード表に沿ってが王道だと思いますが、コード表の量は半端な量ではありませんので現実的とは言えません(特にこの時期には・・・)。
(コード表の細かいものはこちら )
この記事では厳密さはともかくも、国家試験レベルであまり迷わず選択できるレベルを目指します。
2.注目すべきは「活動」
「心身機能・身体構造」「活動」「参加」のそれぞれを覚えていくのはなかなか大変です。
そこで私は攻略法として「活動」に注目することをお勧めいたします。
上記の図で「活動」を見ていくと、「ADL」「IADL」「家事」「職業能力」と書いてあります。
ひとまず、「家事」「職業能力」はそっとしておいて、2つのADLに注目していきましょう。
ADLはBADLの事で、「食事・更衣・移動・移乗・排泄・整容・入浴など」を指します。
IADLはというと分類は様々ありますが、国家試験に何回か出ている「IADL(手段的日常生活動作)尺度」をもとに見ていくと、「電話をする能力、買い物、食事の準備、家事、洗濯、移動の形式、服薬管理、金銭管理」になります。
これらはざっと覚えておいても損はないかと思います。
覚えたうえで国家試験の問題を見たときに、まずは選択肢が「(BかIの)ADL」の項目に該当するかを確認してください。
該当した場合は「活動」になります。
それもよりも根本的な機能と思われる場合は「心身機能・身体構造」、他者がからむような場合は「参加」となります。
これらを確認したうえで、問題を解いていきましょう。
*「電話をかける」は他者がからむように思えますが、かける動作なのでIADLになります。
3.問題を見てみましょう
(スクロールしすぎるとすぐに答えが分かってしまいます。問題を解きたい方は下を見すぎないようにしてくださいね)
ICF(国際生活機能分類)の機能障害として適切でないのはどれか
a.味覚
b.調理
c.乗り移り(移乗)
d.問題解決
e.運動耐容能
1 a,b 2 a,e 3 b,c 4 c,d 5 d,e
bの「調理→IADL」 c「移乗→BADL」が分かります。
eがパッと見て何を言っているか分からないかもしれませんが、a味覚とd問題解決を比較したときに、より根本的な機能(心身機能・身体構造)に感じるのはどちらでしょうか?
a味覚を選ばれると思いますが、それで正解です。
従って答えは「2」になります。
やや強引な解説に感じたかもしれませんが、厳密さよりも感覚で答えられることを重視した解説になっております。
覚えることがいっぱいの最後の時期に、記憶の負担を減らしながら答えるテクニックとなれば幸いです。