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言語聴覚士 国家試験合格への道 ~言語学・音声学 アクセント解説③

あっという間の12月ですね。

入学試験、実習調整、国家試験対策が重なるこの時期はただでさえ忙しいのに、新型コロナが重くのしかかります。

何とか無事に今年が乗り切れるのを祈る毎日です。

 

今回は前回からの続きで、動詞(形容詞)のアクセントを見ていきます。

動詞と形容詞は似たようなところがあるため、動詞を中心として説明していきます。

 

[言語学・音声学 アクセント解説③]

1.動詞(形容詞)アクセントは簡単!?

2.例外パターン

3.活用した場合(後部要素が付加されたとき)

 

1.動詞(形容詞)アクセントは簡単!?

前回の名詞アクセントでは、様々なルールがありました。

それに対して、動詞(形容詞)アクセントは非常に明快です。

動詞(形容詞)アクセントは、アクセント核があるパターンアクセント核がないパターン2種類しかありません

つまり、起伏型(アクセント核あり)と、平板型(アクセント核なし)の2種類になります。

起伏型(アクセント核あり)

起伏型の場合、基本的に後ろから2モーラ目にアクセント核がきます

(吠える)

たか(闘う)

*見ていただいたように後ろから2モーラ目にアクセント核があります

平板型(アクセント核なし)

たう(歌う)

ろがる(転がる)

 

基本的なパターンはこの2つしかありません。

 

2.例外パターン

アクセント核がある場合は基本的に後ろから2モーラ目にあると言いました。

しかし、これには例外があります。

語尾から数えて2モーラ目が特殊拍の場合アクセント核になりえないというルールがあります。

特殊拍と言うと、長音(ー)促音(っ)撥音(ん)を思い浮かべるかもしれませんが、これらに加えて母音連続というものがあります。

おる(通る:to:ru)

いる(入る:hairu)

 

このような場合、例外的に特殊拍を避けて前のモーラがアクセント核になります。

 

3.活用した場合(後部要素が付加されたとき)

今までの内容は終止形の動詞でした。

活用して後部要素がくっついた時に変化が見られます。

色々複雑なので簡単なものだけ説明していきます。

*活用の場合も特殊拍にアクセント核が来ないというルールは適用されます

【起伏型の場合】

①~ない(未然形)の場合

~ないの直前のモーラにアクセント核が来ます。

(食べる)→ない

(会う)→ない

②~て(連用形)の場合

~ての2つ前のモーラにアクセント核が来ます

(会う)→って

(食べる)→べて

③~ます(連用形)の場合

~ますの「ま」の部分にアクセント核が来ます

(眠る)→むりま

(溶ける)→けま

 

【平板型の場合】

①~ない(未然形)~て(連用形)の場合

平板型のまま変化しない

~ます(連用形)の場合

~ますの「ま」の部分にアクセント核が来ます

(行く)→きま

たう(歌う)→たいま

 

動詞の後部要素は他にも様々なパターンがあります。

しかし、全体的に言語聴覚士の国家試験問題で動詞(形容詞)が扱われる確率は低いです。

従って上記の内容をサラッと覚えていただけるだけである程度大丈夫なような気がします。

 

次回は最終回である複合名詞を取り扱っていきます